ひとつひとつの祈りに想いをのせて...
蒔絵は漆製品にさらに漆で絵を描き、その上から金を蒔いてその金を定着させる技法。集中力・持続力・美的センス、そして古来から脈々と受け継がれた熟練の匠の技でなし得る、美しい金色の芸術なのです。
そんな匠の技で彩られた「花びら位牌 宝相華蒔絵」。文様には古来より伝わる宝相華を用い、より悠久の歴史の香る美しい位牌に仕上がりました。
蒔絵の輝きが祈りの時間を豊かな時にしてくれる…そんな想いが詰まっています。
海外では「japan=漆器」の意味を持つほど、漆は日本を代表する品、そして「文化」です。手に伝わる温かな漆の肌合い、深い味わいと美しさを湛えた朱漆の風合い、吸い込まれるような漆黒。きちんと手入れされた漆製品は年月が経つ程に美しく、その荘厳な風合いは増していくとも言われます。 いつも物言わず佇みながら家族を見守り続ける…位牌を作るにあたり、まず漆が思い浮かんだのは日本人の本能がそうさせているのかもしれません。
木と金属を組み合わせた製品はあまり多くはありません。常に同じ形を保つ金属と違い、木材は湿気や気候によって微妙に伸縮するので、作る際にぴったり組んでも時間が経つと木部分が緩んだり、逆に締まりすぎたりするからです。 しかし美しい黒檀の縞模様に輝く金属を合わせた異素材の組み合わせをどうしても実現したい…そんな強い思いで試作を重ね、ついに「波浄美位牌」を完成。サイドの美しいラインが際立つお位牌です。
摂氏1400度を超える灼熱の溶解炉の中で生まれるガラス。炉で様々な様相を経て形作られていくその様は、どこか神秘的でもあり、力強くもあり、そして圧倒的に、美しい。
そんなガラスの表情豊かな性質を活かすべく、宇宙をモチーフにした「宇宙の美」に続き、朝日をモチーフにした「朱の美」、夕暮れから夜空をモチーフにした「星影の美」を制作しました。どれも天へ祈りを届けるイメージで制作されたガラス素材の逸品。
透明感の中に、壮大な世界観を閉じ込めた一つ一つにストーリーのある作品群です。
400年の昔から銅器と深い関わりをもつ富山県高岡市。現代でも多彩な鋳造技術を誇る高岡では、職人の確かな技術と伝統が今も脈々と受け継がれ「高岡銅器」として名高い土地です。
そんな高岡の確かな技術で作られた「美光明」。
ベースを銅器で製作し、表面加工で金・銀・黒をほどこした本品は金属の光を反射する性質を活かし、上部は滑らかに光を放つひだを細く重ねて輝くリングに見立て、胴体は柔らかく光を返す丸みある「しずく」のようなラインに。
高貴な輝きとマットな質感のコンビネーションは、様々な表情を創り出す事ができる金属の良さを活かしたデザインです。
日本国内の金箔の生産は、その99%が石川県金沢市に占められています。
その金箔の一大産地、金沢にある箔メーカーの独自の技法により、箔の上にグラデーションを重ねて作られているのがこの不思議な煌めきの秘密。
元の金箔・銀箔・銅箔の金属の輝きはそのままに、徐々にグラデーションで他の色に変わっていく様は繊細かつ優雅な煌めきを放っています。
そんな美しい箔のグラデーションを使って表現したのは、唯一無二の存在、太陽。金色の太陽が赤い夕日に変わってゆく「金の夕美」、夜が徐々に明け薄暗い空から煌めく太陽が昇る「銀の朝美」、夕日が落ちやがて夜の闇に吸い込まれてゆく「銅の刻美」。
箔の持つ煌めきを活かした商品群です。
砂張(さはり)は佐波理とも書き、奈良時代から正倉院の宝物として扱われてきた貴重な金属。砂張の音は「魔を切り、場を清め、悪霊を祓う」と言われています。古来技法により生み出された砂張りんは音が鳴り上がりすると言われ、五年十年使用しているうちにどんどん音が良くなるのが特徴です。
しかし、砂張は技法が少しでも変わると全く違った性質を形成する不思議な金属。
鋳造の難しさ故、ごく限られた工房のみしか扱えないという砂張を、古来より守り伝承されてきた職人の技でひとつひとつ大切に作られた、砂張りん。
切れの良い音、うねりを持った余韻、低重音の唸りは大切な人を想う時間にふさわしい逸品です。